梅江製材所で扱っている羽目板は様々な場所で活躍します。
今回は、「床のDIYに挑戦したい!」という方のために、梅江製材所の杉や檜の羽目板を使った床の施工方法をお伝えします。
目次
(1)まず床の構造を確認します
一般的な床の構造図をご紹介いたします。コンクリートの上にあるのが、土台です。 コンクリートの土台にのっていない木を、大引き(おおびき)といいます。大引きの上に、根太(ねだ)があります。
昔は根太の上に直接フローリングをはっていましたが、今は捨て貼りという施工をしてフローリングを貼っていきます。そうすると機密性が高くてエコになります。
床をはがしてみて下さい。すでに貼ってある板の高さもあるので、その高さを踏まえて羽目板を貼ってください。バリアフリーの平面な床板をご希望の方は、床の高さは重要になります。
(2)捨て貼りを施工する
捨て貼りとは?
床を支える根太(ねだ)の上に、合板を貼ることを「捨て貼り」といいます。
捨て貼りを行うことで、その上から床板が貼りやすくなります。
捨て貼りに必要な道具
捨て貼りを行う際には、3つの道具が必要になります。
準備する捨て貼り板の大きさを確認するための定規(※①)。
捨て貼り用の板をカットする卓上切断機(※②)。
板をビスで打ちつけるために必要な、電気ドライバー(※③)です。
道具は購入することもできますが、レンタルなどでも取扱いがあります。
捨て貼り施工の流れ
(1)根太の確認
まず捨て貼りを行う前に、根太の状況を確認します。
床貼り予定の床の上を歩いてみて、床がきしんだり、ベコベコしたときは床を支える根太(ねだ)が弱っているため、床をはがして根太を補給する必要があります。また、根太を補給する時には、根太の厚みを統一することが必要です。
(2)合板3/6版を根太の上に貼り付けていく
捨て貼りに使用するのは合板です。必要に応じて補強した根太の上に、捨て貼り用の合板3/6版(サブロクバン)を貼りつけていきます。
3/6版とは、縦横の長さと幅が3尺の6尺で90cm×180cmの合板のこと。専門用語的にサブロクバンといいます。
貼りつけには、合板に端数がでるので、端数分は卓上切断機でカットしていきます。板と板の間を2~3mmぐらいあけて貼り付けると、通気性がよくなり湿気をおさえることができます(図参照)。
打ち込みに使う道具は、ビスがおすすめ
ビスは釘よりも、しっかりと打ち付けられて抜けません。電気ドライバーなどの電動の工具を使うと力の弱い方でも打ちつけられるので便利です。
また打ちつけるビスの頭を板にめり込ませる方が、上から床板を貼るときに障害にならずによいです。
(3)床板を貼る
(1)壁際の一列を貼る
捨て貼りが完了すると、いよいよ床板貼りです。
まず壁際に一列(※①)に貼っていきます。フローリングには、でっぱっている方のオス側と、へこんでいるメス側があり、メス側の方を壁際に向けて(※②)貼ります。
フローリングには裏表があり、溝がある方が裏側になります(※③)。
裏側に接着剤をぬり、貼り付けていきます。
カンナがけで微調整
フローリングの切断は、卓上カットソーで行います。
切断した後、切断面に不要な突起(=バリ)が発生するので、バリとりのためカンナがけ(※④)をします。
さらに、板と板を結合させる時に、ピッタリくっつくようにカンナがけで微調整(※⑤)しながら結合させていきます。
壁際に一列はめた後は、続けて一列一列はめていきます。
板を重ねて行くときには、板を痛めないように、当て木をしてから、ハンマーでたたいて重ねていきます(※⑥)。
(2)ボンドで接着した床材をビスで固定
フローリングをボンドでくっつけた後は、ビスでさらに強く固定していきます。ビスは細いタイプを使います。
細いタイプのビスじゃないと板が割れることがありますのでご注意下さい。ビスでしめつける前に、ビス用の穴を軽くあけておくと、ビスがスムーズに入ります。
ビスの打ち込みのポイントは、頭部を板にめりこませることです。頭部が出ていると板を重ねていく時にひっかかるので、注意しましょう。
(図を参照)
(3)最後の一列の貼り方
キレイにフローリングを重ねていっても、多少のズレはでてきます。そこで、床の3分の2貼り終わったら、残り3分の1の寸法を測りなおし、残りのフローリングの枚数を確認していきます。最後の一列は、すぐにフローリングを貼るのではなく、ダンボールを板にみたてて、一度はめてみます。キレイにはまったのを確認して、ダンボールの寸法に合わせてフローリングをカットし、貼っていきます。
フローリング貼りの作業はやればやるほど、コツがつかめて慣れてきますので実践あるのみで、ぜひ試してみてください。
フローリングDIYのポイント
初心者にオススメの床材
梅江製材所では2種類の厚みの木材を取り扱っており、11ミリタイプと15ミリタイプがあります。
・11ミリタイプ・・・安価でうすいタイプなので、下地はしっかりしている方が良いでしょう。歩くときに木のやわらかさを感じることができます。
・15ミリタイプ・・・厚みがあるのでしっかりした床ができます。極端にいうとコンクリートの上を歩いているような堅さが感じられます。
初心者の方には、エンドマッチが入っている15ミリの方が扱いやすく、オススメです。また杉はやわらかいため、施工中にキズをつけてしまう場合もあります。杉材でもうづくり加工された床材は堅く、初心者の方にも扱いやすいのでオススメです。
施工前に板を並べて完成イメージを固める
羽目板は、ひとつひとつに個性的な色や木目・節目の模様があり、全く同じ状態の板はありません。施工前はまず、そろえた板の色や模様をご確認ください。
板の個性を踏まえて、どういう順番で何を配置していくのかを構想し、実際に床に並べてみます。入口に入ってすぐの目立つ場所には、白っぽくてキレイな板を配置したり、家具の裏にあたる場所には、黒っぽい板を配置するなど、実際に完成したイメージを固めていきます。
完成イメージが固まったら、いよいよ施工をはじめます。※塗装を行う場合は施工前に行って下さい。
伸縮する木は割れやソリを考えて施工します
羽目板をはめていく時のポイントは、きつくはめ込みすぎないこと。木は湿気をすって呼吸し、伸びたり縮んだりします。施工時に板同士をきつくつけると、後々割れたりそったり変形した時に対応できなくなります。
もともと羽目板の接合面は、伸縮を考慮して少しスキマをつくっています。きつくせず軽くはめていって下さい。
画像のように板を直接たたかずに、「当て木」を置いて金づちで軽くたたきはめてください。
板の下に塗るボンドは軽く塗ります。べったり塗ると後で微調整ができなくなるのでご注意を。
壁の端までいったら、調整で板を大きめにカットして、カンナで削りながら微調整して壁の端にはめこみます。寸法きっちりにカットすると微調整ができないので、大きめにカットして調整してください。
安全で木を傷めないエアー釘打ち機が便利
板を下地に打ちつける時には「エアー釘打ち機」がオススメです。
釘が出てくる先端はゴムで加工されており少しの力でスピーディーに打ち付けられます。また、金づちと違い板を痛めることもありません。
※床板施工の動画がございますので、参考にぜひご覧下さい。