畳からフローリングへのリフォームをDIYでやってみたいというお客様が多くいらっしゃいます。
フローリングを張り替えの準備の中でも、「下地材・接着剤」に関するご質問が多いため、今回はこの2つについて詳しくお話をしていこうと思います。
目次
床の下地材について
畳の下が腐っている場合
床のリフォームでは、「畳を剥いだら下の板が腐っているのですが、そのままフローリングを張っても大丈夫ですか?」という質問を多くいただきます。
通常、畳の下には合板やベニヤ板などの床板が敷かれているのですが、この板が湿気や経年によって劣化してしまっていることがあります。
腐ってしまった板の上からフローリングを貼ることは、もちろんよくありません。
下に敷いてある板を取り除き、コンパネや合板を新しく敷き直す必要があります。
「根太(ネダ)」と呼ばれる、床板を支える角材が腐っている場合には、ここから全て取り替えていきます。
畳からフローリングへのDIYは「厚み」に注意
畳の厚さは一般的には約6cm(60mm)。
畳からフローリングへのリフォームでは、この厚みをよく考えながらリフォームを行うことが大事です。
下地板にコンパネを使った場合、厚みは12mm。
フローリング材の厚みが12mmだとすると、合計の厚みは24mm。これでは畳の厚さには全く届きません。
コンパネとフローリングだけでは、敷居との間に段差ができてしまうのです。
厚みのある合板を敷く、根太で高さを揃える、12mmのコンパネを複数枚重ねる…
高さを合わせる方法は様々ですが、畳の厚さに合うように下地の板を選んでみてください。
DIYで使用する接着剤の選び方
木工用ボンドは、無垢材によくない?
床のリフォームに欠かせない接着剤。フローリング材を張り替える前、数か所に接着剤を塗ると板がしっかり固定できるため、プロの職人は必ず接着剤と釘を使って施工を行っています。
施工の際に使用する接着剤について、以前「木工ボンドは、無垢材を使った施工にはよくないのではないか?」と、お客様からお問い合わせをいただきました。
お問い合わせを受け、梅江製材所が調査したところ、確かに「無垢材は木工ボンド(酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤)に含まれた水分を吸ってしまい、床鳴りや反りなどトラブルを招く恐れがある」ということがわかりました。
私たちは、「木のくせ」や「木の特性」を熟知している人が行う施工や、小規模での使用の場合、木工用ボンドでも特に問題はないと考えています。
実際、私たちの施工にはこれまで何度も木工ボンドを使用していますが、トラブルが起こった例はありません。
コスト面を重視される場合や、手軽さや扱いやすさといった面では、木工用ボンドは便利な接着剤です。また、ホルムアルデヒド使用していないF★★★★商品なので、人体への影響がない部分も大きなメリットといえます。
オススメは床材専用接着剤
では広い面積で接着剤を使いたい場合や木工用ボンドに不安がある場合は、どの接着剤を選べばいいのでしょうか?
実は、「床材専用の接着剤」というものが開発されています。
例えば、セメダインの「UM620(ウレタン樹脂系接着剤)(≫ UM620の詳細)」。こちらも床材用接着剤です。
ウレタン樹脂系接着剤は低温でも硬化してくれる特徴があり、冬でも安定した接着を保ってくれるメリットがあり、床暖房にも対応しています。また、床鳴り防止の効果も兼ね備えた、非常に優れた商品です。
若干コスト面が高くなる可能性はありますが、広い面積での施工や、木工用ボンドに不安があるお客様へは建築材専用の接着剤のご使用をオススメしています。