杉の羽目板の「施主支給のメリット・デメリット」について詳しくお話させていただこうと思います。
目次
施主支給について
施主支給とは
新築住宅を建てるときに使われる住宅設備品や木材は、通常、工務店やハウスメーカーが特定の業者から仕入れたものです。
この一般的な仕入れのルートを通さず、施主様が直接購入したものを工務店・ハウスメーカーに託し、家を建てることを「施主支給」といいます。
施主支給を選択する施主様がここ数年急増し、梅江製材所にも、最近この「施主支給」に関するお問い合わせが増えています。
施主支給のメリット・デメリット
施主支給のメリットは「こだわり」と「コスト」
では、具体的に施主支給にはどのようなメリットがあるでしょうか。
ひとつはさきほども述べたとおり、「選択の幅が広がること」です。
一生に一度の大きな買い物だからこそ、自分が心から惚れ込んだこだわりの設備や材料で家を建てたい。だけど、自分が「いい!」と思ったものはハウスメーカーや工務店で取り扱いがなく、お困りの施主様の多くが施主支給を選ばれています。
もうひとつのメリットは「コスト」。
工務店やハウスメーカーが注文する材料や設備には、実際には広告代や中間マージン、アフターフォロー代など様々な経費が上乗せされていることが多くあります。
施主様が直接購入される「施主支給」では、業者への中間マージンが発生しないため、ハウスメーカーや工務店の仕入れよりも安く済む場合があります。
梅江製材所ではまとめ買いの場合には金額に応じた割引制度をご用意しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
ご注意!施主支給にはデメリットも。
「こだわり」と「コスト軽減」のメリットがある施主支給。
しかし、ご注意いただきたい点がいくつかあります。
(1)施主支給を嫌がる建築会社が多い。
(2)施主様がある程度家のことを勉強し、仕入れの日程調整を行ったりと手間がかかってしまう。
(3)品質保証に対し、施主様ご自身がリスクを負わなければいけない。
大きなデメリットとしては、以上の3つが上げられます。
実際に「うちでは施主支給はできません!」と、ハウスメーカーに最初から断られてしまったという施主様もいらっしゃいます。
また、施主様ご自身が選び、購入されたものに対してハウスメーカーや工務店は保証をしてくれません。
後々のトラブルや余計なリスクを背負わないために、施主様が上手に購入先を見極める必要があります。
施主支給を上手に利用するために、大事なポイント
施主支給を利用するコツは「交渉」「下調べ」「品質」
(1)ハウスメーカーとの交渉は契約前に!
施主支給を希望しても、ハウスメーカーが渋い顔をするときは、ぜひ契約前に交渉を行ってみてください。
契約を結んだ後となると、施主支給に前向きではないハウスメーカーの場合、残念ながらあなたの希望を叶えてくれる可能性は低いでしょう。
まだ検討段階であれば、「この施主支給を受け入れてくれれば、契約します」と交渉できることがあります。
(2)下調べはしっかりと!
例えばフローリングの無垢材を施主支給したい場合には、必要になる面積や床材の枚数、仕入れ先業者との連絡、いつごろには納品しておかなければならないかのスケジュール確認等、施主様が把握しておかなければならないことが増えてきます。
また、ここでしっかりと仕入れ先の業者を見極める必要があります。こちらは「他社商品との比較からみる、失敗しない製材会社・商品の選び方( >> 第65回 「失敗しない製材会社・商品の選び方」について )」もぜひ参考にしてください。
梅江製材所では、図面を送っていただければ必要な床材の計算を行っています。図面がなくても平米数さえわかれば計算はできますので、お気軽にご相談ください。
希少な木材には少々お時間をいただくことはありますが、基本的にはしっかりと在庫を持っているため、工事のご予定に合わせてお見積り・納品を行っています。
(3)品質を厳しくチェック!
デメリットでお話したように、施主支給で使用した材料に対して、ハウスメーカーや工務店は保証をしてくれません。
「傷がある商品だったらどうするの?」「使えないものを送られても困る」というのがハウスメーカーや工務店の本音。彼らが施主支給を嫌がるのも、意味があってのことなのです。
そのため、施主様が自分の目で購入する材料を厳しくチェックする必要があります。
梅江製材所では、お客様に安心をお届けするために、商品に「羽目板 品質保証書」をお付けしています。
「羽目板 品質保証書」では、梅江製材所の商品がすべて厳選された国産材であることや、加工後の仕上がり、発送前の梱包に関する保証を記しています。
規格外の商品が万が一混在していた場合には早急に交換対応を行うなど、輸送トラブルやアフターフォローにも万全の体制を整えています。
施主支給だからできること。
「強度」で悩みがちな杉材。でも……
「杉」は、傷のつきやすさから床材に向かないとハウスメーカーや工務店から言われることが多い素材でもあります。
しかし、杉が持つ魅力のことをよく考えてみると、メリットは「傷のつきにくさ」ではないのです。
素足で感じる木のぬくもりや、湿度をコントロールしてくれること、木の香りがリラックス効果や安眠効果などを生むこと、アレルギーの心配がなく健康にもいいこと、自然素材だからこそ徐々に風合いが代わり、味わい深い経年変化を楽しめること。
傷のつきやすさでは勝てませんが、合板にはない、杉ならではの魅力がたくさんあります。
ご自分の「こだわり」を見つけ、実現できるのが施主支給の何よりの楽しみ。
施主支給だからこそできる、こだわりを大事にした理想の家づくりに、ぜひ梅江製材所をご利用くださいね。