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梅江製材所通信

「木の強さと寿命」について

自然がつくり出す木は、工業製品や化学製品には真似できない優れた性能が有ります。
木は独特の組織繊維をもち、優れた耐久性や耐火性を備え、健康的な環境を作り出すことができるのです。今回の特集では木を性能面から掘り下げて説明したいと思います。

 

(1)木の強さについて

日本では昔から建築物の材料として木材をふんだんに活用してきました。
例えば桧。桧は今でも神社や仏閣を建てるための木材として利用されています。
日本の木材の中でも桧は優れた耐久性があり、桧でつくられた法隆寺や薬師寺の塔は、1300年が経った今でも当時の様子のまま立派に維持されています。

 

一方、鉄やコンクリートではいかがでしょうか?双方ともに耐久性は約100年と言われています。
なぜ桧はそんなにも強い木材なのでしょうか?
下記は桧の強さの経年変化を示した図です。
強度の増し方は200年かけて増加し、200年後には伐採時よりも約30%程度増加するというデータが発表されています。

 

また、自然の木と合板を比べると分かるのですが、自然の木は伐採した後も細胞が死ぬことはありません。また、細胞が生きているため調湿作用もしっかりと働きます。調湿作用が働くと、カビも生えにくく木が長持ちします。
一般的に合板製品がカビてしまうのは、この調湿作用がなくなるため、湿気が溜まりやすくなり、
カビの発生にも繋がっているのが原因なのです。

 

(2)木は鉄やコンクリートに比べて強いという性能があります。

木や鉄、コンクリートの強度を比較したデータです。
同じ重量で強さを比較すると、木は鉄の約4倍の引張強度を備え、コンクリートの9.5倍以上の圧縮強度を備えています。
また、圧縮や引張の強度以外にも「曲げ」に対する力は他を寄せ付けないほどの強度を持っているのが特徴です。地震などの際に受ける力は、建物が重いほどかかる力が大きくなるため、重い建物はより大きな破壊力が発生することになります。
同じ大きさの家であれば、鉄やコンクリートの家よりも、軽量な木材で家をつくったほうが地震による影響が少ないといえます。

(3)木の耐久性(寿命)について

桧は伐採後、約2000年はもつと言われています。杉は500から600年、マツやケヤキでさえ400年程度の耐久性があるといわれ、いずれの木材も長寿命なのが特徴です。
また、鉄に比べて風化するスピードが緩やかなのも特徴です。
木材は100年間風雨にさらされたとしても表面から約3mm劣化するだけです。一方鉄は1年間で0.05mm劣化していきます。2つを比べると分かることですが、圧倒的に木材のほうが劣化スピードが緩やかだということが分かります。

(4)木の断熱性について

木の組織繊維を細かく見ると、細かいパイプ管のような状態になっています。その中には多くの空気が含まれているため、木は断熱性能に非常に優れています。
熱の伝わりやすさの指数(熱伝導率)で比較すると、断熱性はコンクリートの約10倍、鉄の約500倍となり、優れた断熱性能を持っている素材だということが分かります。

このように木には自然素材ならではの特徴が多数あります。
さらには美しい光沢感や、やさしい雰囲気、香りをもつのが木の最大の魅力なのです。

監修者紹介

九州 大分県日田市にある梅江製材所の代表、梅江康弘です。
創業50年、木の魅力を探求し続けてまいりました。
厳選した木材のみを製材し、良質で綺麗な羽目板をお客様に自信を持ってお届けしています。

監修者:梅江康弘
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