桧(ヒノキ)は、日本では建材として最高品質のものとされています。
桧の特長としてはこんな特長があります。
目次
(1)強く長く千年もつ材木
他の木にはない桧だけがもっている大きな特徴は材齢の長さです。
材齢とは材料になってからの年齢のことで、伐採され材木になった状態でどれくらいもつのかを表します。
桧の材料になって200年経つまで年々強くなります。その後ゆっくりと強度は落ちていきますが、千年まで強度が保たれるといわれています。
日本では古くから建築材料として使われており、寺院、神社にもよく使われています。法隆寺や正倉院なども桧が使われております。
強度の耐久性をほこりながら、木材を腐らす菌に侵されにくい、シロアリなどの外注にも比較的攻撃されにくいという特徴を持っています。
耐久性の要因が桧の材に含まれる香りの成分、精油なのです。
におい成分はカジノール類で、そのひとつのアルファ・カジノールには虫歯菌の繁殖をおさえる働きがあります。代表的な木材腐朽菌であるカワラタケやオオウズラタケの繁殖を抑制する働きがあります。
また医学の現場では、桧の精油成分が、院内感染などで問題視されるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の発育を阻止し、人体を蝕む病原菌にも有効であるということも発見されています。
(2)色、木肌、香りに非常に優れた桧
桧の木片を摩擦し火を起こしたことから「火の木」と呼ばれたり、神宮の用材に用いるところから「霊(ひ)の木」と呼ばれてきた私達の生活にも馴染みの深い「桧」。
年輪が非常に細かく、色、木肌、香りに非常にすぐれています。家の柱や土台、敷居や障子などの部屋の材料にも多く使われています。(桧風呂のほうが馴染みのあるかたも多いかと思います)
桧の香りの成分には、ストレス解消や疲労回復、消臭、防ダニなどの働きもあります。
防虫効果を表すエピソードとして、桧林ではバードウォッチングができないといわれます。
虫たちは桧の香りが苦手なので、ヒノキ林に集まりません。そのため虫を食べる鳥も集まらないため、バードウォッチングができないと言うことだそうです。
また、シイタケの菌をヒノキに打ち込んでもシイタケが出てこないという実験結果もあります。 桧はバクテリアや菌類にも強いです。
桧は土壌に対する適応力と乾燥地でも耐える力が強いため、北海道北部を除き全国に分布しています。私達が住む九州には品種として主として以下の3つの桧が生育しています。
- ホンピ(木曽型)
- サクラヒ(高知型)
- ナンゴウヒ
それぞれに個性がありますが、ホンピは心材の色が淡桃黄白色の桧。
サクラヒは心材の色が深紅色の桧。
ナンゴウヒはホンピに近い淡桃黄白色の桧です。
当社でも長年、桧を扱ってきた経験則からの判断にはなりますが、当社の桧羽目板は「ナンゴウヒ」、桧床板に関しては「ホンピ」「サクラヒ」を利用しています。
(3)桧がもたらすリラクゼーション効果
総桧造りの家や桧風呂はリラックス効果が高いと言われています。
この効果の主たる要因は森林浴をしたときと同じ「フィトンチッド」を材が放出することにより、リラクゼーション効果をもたらしてくれるからなんです。
「フィトンチッド」とは樹木が発散する芳香のこと。植物にたえず侵入しようとする有害な菌や細菌、有害な昆虫から身を守るために植物自身が自己防衛のためにつくりあげてきた物質です。
フィトンチッドは消臭効果や脱臭効果も併せ持ち、空気を浄化する能力が非常に高い物質なのです。
更には抗菌作用だけにとどまらず、人体にはストレス解消に非常に高い効果があります。
特に桧はフィトンチッドの含有率が高く、また伐採後も発散し続けてくれるのです。
桧に含まれる芳香は脳の動きと自律神経に作用し沈静化させることで、リラックスにつながるというのが最近の研究で判明しています。
天然の成分なので人体への影響もなく、科学的にも心身を深いリラクゼーションに導くという効果が認められています。
桧を使った加工や手入れなどのポイント
(1)洋風の部屋に合う
梅江製材所で扱っている桧の羽目板はサイズが小さいため、洋風の部屋や腰壁によく合います。
(2)床材に適している
杉に比べて桧はとても堅いためカットや釘打ちの時には注意が必要です。 日田地方の桧は特に堅いです。超仕上げをかけた時、堅いほうがキレイに仕上がるので、フローリングにするととてもキレイです。
梅江製材所で扱っている「桧の羽目板」は無節のみでキレイです。
(3)加工する時の注意点
桧は乾燥すると堅いので、釘がささりにくいです。
釘を入れるときは、ドリルで下穴を少し掘ってやると釘が入りやすくなります。 桧の手入れでからぶきすると光沢が増しキレイな状態を保てます。