スギの赤身についてお話しします。その第1話です。
スギの赤身は、品種によって赤、黒、茶系、褐色と様々な色を呈します。
この心材部分(赤身)には、樹木自体が自分の体を守っていくための成分、「抽出成分」が辺材部より多く含まれています。
辺材部分とは、外側の白い部分、白太(しらた)と呼ばれる部分です。
この成分が多く含まれることによって、腐朽菌・虫・耐蟻性に対しての抵抗力、耐久性が強くなると言われています。
又、一旦乾燥すると、赤身部分の細胞をつなぐ物質、トールスと呼ばれる、言わばストローみたいな水分の通り道が、
蓋をしてしまい、水分を吸収しなくなります。
法隆寺昭和大修理に携わった西岡棟梁は「杉の赤身は100年もつとも言われています」
実際は、100年どころか、100年以上経過している例も一杯あります。
スギ独特の(辺材)赤い色は、人間の目にとって温かみを感じさせ、
落ち着いた空間づくりを手助けすることと思います。
杉の赤身羽目板の商品のラインナップ
資料提供者日田林工林産工学教諭:河津文章