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梅江製材所通信

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羽目板選びに迷ったら──価格・品質・デザインでわかる後悔しない選び方ガイド

無垢材の羽目板は、空間に温かみと質感の豊かさをもたらしてくれる自然素材です。とはいえ、いざ購入しようとすると、

「羽目板を使ってみたいけど、何を基準に選べばいいかわからない」

「羽目板がどう違うのか、専門的な知識がなくて判断できない」

「価格で決めていいのか、それとも品質やデザインも考えるべきなのか……」

といった疑問や迷いが出てくるのではないでしょうか。

特に無垢材を使いたい場合は、木の種類・幅・節の有無・価格差・施工性・見た目など、考えるべき要素が多岐にわたります。

今回は、羽目板選びの迷いを解消するために、「コストパフォーマンス」「品質・耐久性」「デザイン」という3つの視点に整理し、それぞれに適した商品と選び方のコツ、注意点まで、梅江製材所がわかりやすく解説します。

 

羽目板選びで後悔しないための3つの視点とは?

“どんな羽目板を選ぶか”は、室内の雰囲気を左右する大きな要素です。ただし、見た目の印象や価格だけで決めてしまうと、施工中や数年後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することも。

羽目板選びで本当に大切なのは、「自分にとって何が心地よいのか」を明確にすること。この記事では、以下の3つの視点から、あなたにとって最適な羽目板を見つけるヒントと、おすすめ商品をご紹介します。

【コスパ重視】初期費用+施工効率で選びたい方へ

「DIYで手軽に」「費用はできるだけ抑えたい」──そんな方に大切なのはトータルでの使いやすさ”です。
材料費だけでなく、施工のしやすさ、納期、そして日常の手入れまで含めて考えることで、満足度の高い選択ができます。

◎おすすめ:杉の羽目板(16cm幅・節あり)のアウトレット

コストを抑えつつも、無垢材の質感を楽しみたい方には、16cm幅の杉羽目板(節あり)のアウトレット品がおすすめです。

この羽目板は幅が広いため、1枚で施工できる面積が大きく、作業の手間や時間を大幅に短縮できます。特にDIYを検討している方にとっては、扱いやすさの面でも大きなメリットとなります。また、プロの大工さんからも「施工スピードが早くなる!」と好評です。

 

さらにアウトレット品であることも、コスト面では大きな魅力です。正規品から外れた材料ではあるものの実際の仕上がりに大きく影響しないものも多く、使用箇所を工夫することで十分に活用できます。

メリット

価格が手頃
 節あり材のため材料単価が抑えられ、初期費用を大幅に削減できます。

施工が効率的
 16cmの幅広設計により、貼る枚数が少なくて済み、DIYでもプロ施工でも短時間で仕上がります。

仕上がりに自然なあたたかみ
 節のある表情が木の個性を感じさせ、空間に柔らかな雰囲気をもたらします。

工期短縮=人件費削減
 施工がスピーディーに終わるため、トータルの施工コストも下がります。

注意点とデメリット

DIYに技術が必要
 アウトレット品はカット調整や補修が必要で、DIY初心者にはやや難易度が高い場合も。
反りやすさに注意

 幅広材は乾燥による反りが出やすいため、施工では下地の施工方法に工夫が必要です。

 

【品質・耐久性重視】家を長く守ってくれる素材を選びたい方へ

「せっかく羽目板を張るなら、何十年と使い続けられる素材を選びたい」──そんな方には、耐久性・強度・天然の防虫性などに優れた木材をおすすめします。

無垢材は“経年変化を味わうもの”と言われるほど、長い時間をかけて美しさや風合いが深まっていきます。ここでは、梅江製材所でも特に評価の高い「杉の総赤身」「ヒノキ」の2つをご紹介します。

 

◎おすすめ①:杉の「総赤身」羽目板

杉の丸太の中心部「赤身」のみを使った、希少価値の高い羽目板です。樹脂分を多く含み、防腐・防虫性に優れ、耐久性が非常に高いのが特長です。美しい色合いと香りも魅力です。

メリット

驚異的な耐久性

 「杉の赤身は700年もつ」と称されるほど、防腐・防虫性に優れ、劣化しにくい特性を持ちます。構造材としても信頼されてきた赤身は、内装材としても長く美しさを保ちます。

日本の気候に適した素材

 高温多湿な日本の住環境にぴったり。湿気に強く、経年による腐朽にも強いため、安心して長期的にご使用いただけます。

深みのある美しさと香り

 赤身ならではの落ち着いた濃色の木目が、空間に風格を与えます。杉特有のやさしい香りも相まって、和室にも洋室にも自然になじむ、上質な雰囲気を演出します。

◎おすすめ②:ヒノキ材の羽目板

日本建築を支えてきた代表的な材「ヒノキ」。
その魅力は、抜群の耐久性、気品ある木肌、そして心を和ませる芳香にあります。構造材としても内装材としても優れ、まさに“住まいを長く、美しく守る木材”として、古くから重用されてきました。

メリット

時間とともに強度が増す
伐採後200年をかけてゆっくりと強度を高めていく、不思議な特性を持っています。

湿気・カビ・虫に強い
高い抗菌性・防虫性があり、水まわりや湿気の多い部屋にも適しています。

仕上がりが上品
白く清潔感のある色味と緻密な木目は、ホテルライクな空間づくりや和モダンインテリアにもおすすめです。

香りによる癒やし効果
森林浴のような清涼感のある香りには、ストレス軽減やリラックス効果が期待できます。

注意点とデメリット

杉の総赤身は調達が難しい
赤身は丸太の中心部分のみからしか採れず、1本の丸太から取れる量はわずか25%程度。大量注文の場合は納期に時間がかかるため、余裕をもってのご相談がおすすめです。

ヒノキの供給が減少しているため、要注意
 全国的に製材所が減少しており、ヒノキを扱う事業者は少なくなっています。そのため、希望サイズやスタイルに制限が出ることもあります。特に無節材などの高品質グレードは早めの在庫確認が必要です。

【デザイン重視】「見た目の良さ」にこだわりたい!

「空間の雰囲気にぴったり合う羽目板を選びたい」
「インテリアの一部として、素材にも妥協したくない!」

 

そんなふうに、見た目の完成度や質感へのこだわりたい方にとって、羽目板は単なる壁材ではなく、空間の印象を大きく左右する重要な要素です。木の種類・仕上げ・色合いによって、空間全体のトーンが変わるからこそ、目的に合った選択が求められます。

ナチュラルでやさしい雰囲気を演出したい方へ

ナチュラルでやさしい空間づくりには、杉の節あり材うづくり仕上げがおすすめです。

素朴で温かみのある木目が、自然体の心地よさを引き出します。特にうづくり加工は、木目の凹凸が光をやわらかく受け止め、空間に穏やかな表情と奥行きを加えます。

自然とともに暮らすような、ぬくもりに包まれるインテリアにおすすめです。

明るく清潔感のあるモダンな空間にしたい方へ

杉の純白材ヒノキ材がオススメ。白を基調とした木肌は、洗練された印象と軽やかさを演出します。
空間に広がりと清潔感をもたらし、現代的なインテリアにマッチ。
キッチンや洗面スペース、居室とも好相性で、上品な明るさが映える空間づくりに最適です。

和の落ち着きや上質感を取り入れたい方へ

杉の赤身うづくり仕上げを選ぶことで、しっとりとした品格ある空間に仕上がります。
赤身材特有の深みのある色合いと、木目を際立たせるうづくり加工が相まって、和室はもちろん、和モダンなリビングや寝室にも重厚感と落ち着きを添えます。
伝統と美意識を感じさせる空間演出におすすめです。

 

注意点とデメリット

素材の希少性に注意
 純白材や無節材は丸太1本から採れる量が少なく、流通数が限られます。ご希望のサイズ・数量が揃わないケースもあるため、早めのご相談がおすすめです。前述の通り、杉の赤身やヒノキに関しても在庫に注意が必要です。

明るい材は汚れが目立ちやすい
 とくに純白や白系の無塗装材は、手垢やシミが目立ちやすいため、小さなお子様・ペットのいるご家庭では、あらかじめ自然塗料での塗装など対策が必要です。

 

あなたにぴったりの羽目板を選ぶために

羽目板選びは「見た目」だけでなく、使用目的・住まいの年数・施工のしやすさ・調達性など、複数の観点から考えることが重要です。

「コストを抑えたい」「何十年と住む家だからこそいい素材を」「好みのインテリアを実現したい」──そんなあなたの目的に応じて、最適な選択肢はきっと見つかります。

もし選び方で迷ったら、梅江製材所までお気軽にご相談ください。プロの目で、あなたの理想にぴったりの羽目板をご提案いたします。

監修者紹介

九州 大分県日田市にある梅江製材所の代表、梅江康弘です。
創業50年、木の魅力を探求し続けてまいりました。
厳選した木材のみを製材し、良質で綺麗な羽目板をお客様に自信を持ってお届けしています。

監修者:梅江康弘

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