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一本一本違う丸太を安定した品質でお届けするための取り組みとは?
仕入れの違いについて
当社では良い品質を安定してお客様に提供するために、特に下記の点に重きをおいて仕入れに行っています。
- 色の良さ
- 真っ直ぐな素性
- 市場での判断
特に気をつけて見ているのがまっすぐな素性であるということ。
これはどういうことかというと、木が持つ性格を見ているということなんです。
- 木肌が非常によくうすく赤みがかかっている
- 赤みが強く色ムラがある
木は日光の当たり具合、水はけ、傾斜、風の強さなど、木自体に負荷をかけながら育っています。
一見まっすぐに立っている木でも、成長過程で強風にあおられたり、傾斜の急な場所で成長した丸太等、製材後に曲がりがひどくでてしまったりしてしまいます。
そこで当社では仕入れる際に、
- 木の目が細かいもの
- 年輪を確認し、突然変異が無いもの
- 木の皮をみて素性や生育環境を予測
をしながら丸太の選別を行い、仕入れを行っています。
特に重要なのが年輪。
年輪を見るだけでしっかりと間伐をしているか、突然変異を起こしていないかがわかるんです。
そして年輪の細かさにも着目して、製品になった際にキレイな木目がでるかどうかも想像しながら仕入れを行っています。
年輪の一部が急成長している様子
市場では木の素性によって、大曲(おおまがり)、曲がり(小曲)、直材に分類わけされています。
その中でも当社は直材と曲がりを中心に購入を行っています。
実はこの条件を満たすものってそんなに多くはないんですよね。
買い付けに行ってもなかなか上記をすべて満たす材がなく、このため大量に良品をつくることができないのが残念なところです。
製作方法の違い
実際に丸太を切り始め、最終的な羽目板にする製作段階でも各フェーズに分けて品質のチェックを行っています。
- カット時に生き節と死節を判断
- 傷物はすべて除外
- 純白と源平、小節に分類
- 節有り商品は埋木工程へ
丸太を切っていくと外側から見えなかった「節」が出てきます。節には生き節と死節と呼ばれるものがあります。
生節は枝の元の部分がまだ生きている間に幹の中に枝が取り込まれた時にできたもので、幹の組織と、枝の組織が繋がっている健全な節です。
一方、死節は、枝が枯れた状態の時に幹に取り込まれてできたもので、幹の組織と枝の組織が繋がっておらず、枝が腐ったまま幹の中に閉じ込められてしまった状態のものもあります。
死節は組織が繋がっていないため節が抜けてしまう場合があるため同じ節でも「死節」は商品にはなりません。
そのため当社では節は「埋木工程」と呼ばれる節を埋める作業を行っています
また、節の数や大きさによって純白や源平、小節というように商品をわけています。
結果節の少ない商品ができあがります。
そして各工程と工程ごとの担当者が傷物は随時除外していきます。
大きな傷はすぐに見つけやすいのですが、実は木を削った際にしかわからない傷も、木の中には隠れているんです。
木の中の傷は伐採して加工しないと見えにくいのですが、機械伐採をしたり、乾燥や、落とした際に中が割れている場合が多いのです。
木の中の黒い点が「葉節」
削れば削るほど割れや葉節と呼ばれる点状に見える細かい節が出てきたりしますが、最終的にはご注文後にモルダーをかけ、一枚一枚選別をする際に細かくチェックしていきますので、お手元に届く際は結果的に節や葉節などが少ないキレイな材をお届けすることが可能なのです。
高品質な商品をお手元にお届けするために
私たちの信念は「常にお客様が見て高品質と思えるものを提供し続ける」ということ。
そのためにこれまでもお客様の声を頂戴しながら、日々改善を進めてきました。
自然の産物を利用するため1本1本素性が違うのが丸太です。
当社では日田特有のヤブククリという品種の杉を多く使っているのですが、
もともとヤブククリは
- ひねりが酷く、羽目板には不向き
- 曲がりが多い
というデメリットもありますが、
- 桁や梁などの建築材に向いている
- 年輪が細かい
という特徴がありました。
ただその難しい材の中でもこれまでお伝えしたような選別時のチェックを徹底して行うことで、皆様に高品質な羽目板をお届けすることが可能となっています。
それでも欠陥品が届いてしまった場合には
どれだけ徹底的にチェックをしても年に1~2回はお客様からご指摘をいただくことがあります。
輸送中のトラブルや重たい商品同士がぶつかったりして一部欠けてしまうこともあるんですね。
ですがその際はすぐに代替品をお送りしますので、安心してご連絡いただければと思います。