今回は地球環境を守る取り組みとして新たに導入した「CO2排出量ゼロの電気」の話をしたいと思います。
目次
CO2排出量ゼロを目指す製材業界で九州初の取り組み
梅江製材所は、特集第85回「梅江製材所のSDGsへの取り組み」でも取り上げたように、梅江製材所は、「持続可能な社会」を実現させ、継続することを目指しています。
しかし弊社の工場で使っている製材機械、および木工機械はモーターで稼動しており、火力発電による電力によって羽目板、フローリングを作っています。つまり、どうしても削減が困難な二酸化炭素を放出してしまうのです。
そこで弊社は、製材業界では九州初となるエバーグリーン・マーケティング株式会社の「カーボンオフセットプラン」を契約し、CO2排出係数ゼロを目指す取り組みを開始しました。
エバーグリーン・マーケティング株式会社のクリーンエネルギー
エバーグリーン・マーケティング株式会社は、大気中のCO2を増加させないクリーンなエネルギーを作る「バイオマス発電所」を有しています。
バイオマス発電は、木材や枝葉など生物由来の再生可能資源(バイオマス)を燃料とした発電方法です。
原材料の成長過程で行われる光合成によるCO2の吸収量と、燃焼によって排出されるCO2の排出量が相殺されることで、大気中のCO2の増減には影響を与えません。
エバーグリーン・マーケティング株式会社は、PKSと呼ばれるパーム椰子の種からパーム油を採油したあとの殻を主燃料としたバイオマス発電所を、日本で初めて運転開始しました。環境にやさしいバイオマス発電事業で、日本の低酸素社会の実現に貢献しています。
CO2が引き起こす地球への影響
産業革命以降、世界的に石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料の使用が増えていきました。
もちろん産業だけではなく、日常生活にもガソリンや灯油、石油が使用されています。
それまでは人力、馬、牛、ラクダなどの動物の力、または水、風の自然の力だったエネルギー源が、二酸化炭素を排出する化石燃料に置き換わり、大気中の二酸化炭素の濃度が急増しました。
その結果引き起こされたのが、「地球温暖化」です。
例えば2019〜2020年に起こった、オーストラリアの大規模な森林火災を覚えているでしょうか。
30億匹とも言われる多くの動物たちが命を落としたこの火災は、地球温暖化による乾燥と高温などの異常気象が被害を拡大し、深刻な被害をもたらしたと言う指摘があります。
なぜ二酸化炭素が温暖化を引き起こすかというと、二酸化炭素は地球を温める効果を持つ「温室効果ガス」の1種なのです。
温室効果ガスには他にもメタン、一酸化二窒素、フロン等がありますが、総排出量のうち二酸化炭素がもっとも多く割合を占めています。
大気中に二酸化炭素が増えることで温室効果が高まり、結果として地球をあたためる=温暖化が進んでしまうのです。
カーボンオフセットプラン導入後はCO2排出量ゼロ!
梅江製材所では、年間138,208kwhの電力を使用しています。(2020/8/1~2021/7/31の統計値)
この電力量から計算された年間のCO2排出量は、43.7tCO2(トンCO2)。10tの大型トラック4.5台分ものCO2を排出していることになります。
「カーボンオフセットプラン」は、電気料金が安くなるようなお得なプランではありません。むしろ通常の電気料金と比べると少し割高なくらいです。
それでも「環境を保護したい」「社会に貢献したい」という想いから、製材業界では九州初の取り組みとなるカーボンオフセットプランの導入に踏み切りました。
梅江製材所がある大分県日田市は、全国でもトップクラスの猛暑に襲われる土地であり、度重なる豪雨にも見舞われています。
私たちは気候変動の深刻な影響をずっと実感しています。
地球環境を保護できるように心がけていくことは、つくる側の責任として当然のことです。そして私たちの事業は自然・森林に関わりが深い分、より真摯に環境問題には取り組んでいかなければなりません。
CO2削減のみならず、森林整備や植林を通して陸の豊かさを守り、未来の地球を守っていきたいと思います。
エバーグリーン・マーケティング株式会社のご紹介
エバーグリーン・マーケティング株式会社は、イーレックス株式会社と東京電力エナジーパートナーによる共同出資会社です。
大気中のCO2を増加させないクリーンなエネルギーを発電するバイオマス発電所を全国に基有しており、大分では佐伯に発電所があります。